印刷会社の従業員だった人が解雇された時に本来は支払いを受けるべき給料と
退職金を会社側が支払わず、元従業員の女性が会社に対して給料と
退職金の支払いを求めて抗議を行いました。
その抗議方法は女性の本心を表現したものと、会社が所在地ではとても大きな企業であるということ、
社長は大きな資産を保有しているのに従業員の給料の支払いを踏み倒していると断罪したものです。
この三本ののぼり旗は映像によって多くの視聴者に提供されることになり、その内容が
名誉棄損に該当すると司法が判断して慰謝料を払うように判決が出たことで、日本労働弁護団は
言論活動否定の判決であり判決の内容変更を求めて提訴しました。
ここでの問題点は会社名は出ていますが誹謗中傷を行ったわけではなく、社長に関しては
本名が明記されていません。
文言も公序良俗に反しているとは言えず、明らかに言論弾圧に該当すると
日本労働弁護団は判断して判決の撤回を求めています。
判決から見る労働者と司法との溝とは
名誉棄損というのは対象になっている本人がどのような印象を持つかで
違法にも合法にもなるものであり、言論の自由が頻繁にクローズアップされています。
のぼり旗の内容に対して司法が名誉棄損であることを認めていますが、会社に向けては
「荒川区の印刷御三家」という表現方法を用いていて、社長本人には「億万長者」という言葉を用いているだけです。
裁判所はこれに訴えを起こした本人が感じていた「安い給料で使い捨て」という言葉を重要視しています。
そして、この三つののぼり旗を同時に掲げることが違法だと判決で提示していて、
個別に一本ずつ掲げる場合は不問になっていて、訴えを起こした女性は
現在では三本同時に使用しないで抗議活動を続けています。
内容を精査しても、それが相手の名誉を著しく侵害して被害を与えたとは考えにくいでしょう。
何が名誉棄損なのか原告団は理解できないという声明を出していて、このような判決を下されると
正当な労働組合の言論活動が阻害されると考えています。